今年のCEATECは、一味違ったホームエレクトロニクスに感じた

今年も、千葉県幕張メッセで最先端IT・テクノロジー総合展CDATEC JAPANに行ってきました。今年は、東日本大震災、そして、原発事故による電力危機とエレクトロニクス界には衝撃的な事件があり、まだ、解決していない中での開催となりました。
これまでも、スマートグリッドや、太陽光など発電、キャパシタやリチウムイオンなどの充電・蓄電と言った展示も多くありましたが、単なる省エネでしか見てこなかった気がします。これまで、「節約してくださいね」「はいはい」で省エネグッズを導入したりしていた感覚が、電力が供給されない事態、原子力の是非を全国民に問われるようになり、同じ展示であっても、違う感覚で見ることが出来たのかも知れません。
いつも、情報家電をトップにまとめていますが、今回のレポートは、これからのスマート・ホーム、ホームエレクトロニクスから始めたいと思います。
その他の展示で目立ったものは、電気自動車ソリューション、超高密度ディスプレー、高速モバイル通信っていうところでしょうか。3Dが弱くなった感じがします。
○電力
これまでも、発電、蓄電は多く展示されてきましたが、使用電力の可視化も重要な視点になってきました。電子デバイスのゾーンでは、スイッチや振動で発電する仕組みを展示するブースも多くなりました。これまでも待機電流がじわじわ家庭内電力消費を積み上げているという指摘がありましたが、これにより待機電流完全ゼロを実現できるとか、そういった提案も多く見受けられました。

オムロンは、例年より簡素化も。家庭の電力可視化機器や、プラレールの振動でも発電できるモジュールの実用例。

ロームは毎年多岐にわたるデバイスを展示していますが、今回はCEATECのアワードを取っています。それが、色素増感型光電変換デバイス。これまで黒・濃い紺色の太陽電池が一般的でしたが、色付けしたデバイスを作ることで、室内光も効率的に発電できるモジュールです。これを応用し、地下やビル内など、GPSでの位置情報が使いにくい場所での位置特定に使えるデモも。
この手のデバイスでは、FUJIKURAのブースで、小さいながらも室内などでも効率的に発電できる色素増感太陽電池が展示。

FUJIKURAは超電導素子を使った、永久磁石と液体窒素で冷やした超電導車両でのリニアモータープレゼンもやってます。意外におもしろい。

ムラタでは、発電するセンサーの展示をはじめ、スマートホームでの省電力デバイスを多く展示。しかし、人が多く関心を寄せていたのは、非接触充電のように感じました。デモでは、AmazonのKindleやタブレット用のワイヤレス充電システムです。

村田製作所といえばムラタセイサク君。今年は自身の電力消費が可視化できるようになり、さらに坂道カーブが登れるように成長したそうです。

3Mでは、透過型太陽電池の実演。透過型の太陽電池は他社も取り組んでいますが、実演はあまりありませんでした。今回、曲がるフィルム方での実演で、ケータイ端末が充電できる実演です。

富士通のブースでは、発電から送電への大規模スマートグリッドのモニター展示など。

そして、富士通ではあのスーパーコンピューター京keiが展示されています。世界最速で、こんなにコンパクト。どんだけ電力を使うのでしょうか。

○入力デバイス、センサー
スマートフォンを意識した、タッチパネル的なモジュールを各社力を入れて展示しています。


アルプス、SMKは入力デバイスが目立ってました。でもちょっと真新しさが無かったような。

パナソニック電工は、電力制御のスマートデバイス、3次元検出センサーの展示。この3次元センサーは距離も測れるもので、ゲームなどへの応用も効きそうです。
その他
三菱のスマートホーム

パナソニックのスマートホーム

○車
電気自動車を中心としたソリューション。

航空電子は、電気自動車のホーイールモーター内に組み込むセンサーを展示。

ルビコンの実用化、充電ステーション。

NECも充電ソリューション。車も充電ステーションなどの情報を送るので、クラウドとか。
パナソニックは、EVソリューションの中で、運転コクピットを提案。助手席のコンソールの中にスマホが内包され、運転情報システムの中に取り入れられる仕組み。

なかなか未来的なデザインです。
○モバイルコミュニケーション
まず、京セラ。毎年、ケータイのコンセプトモデル展示で楽しみです。

今年は、メガネをつけると情報が飛び込んでくるとか、折り曲げると電源ON、ボタンもないのに角を押すとカメラシャッターなどのデザイン提案。
そして、この冬にauから発売される予定のWiMAX対応スマホDIGNOの展示。有機ELが美しく、省電力でバッテリー持続につながるのではと思いました。また、思ったよりサクサク動きます。

NECでは、docomoのスマホ端末を使って、10分で充電できるクレードルを展示。充電途中まで、通常の10倍とかの電流をかけるようです。
では、docomoですが、ブースの表示にもあるように、次世代高速モバイルLTEを採用したXi(クロシー)のロゴを、docomoロゴと並べてブランドをアピール。


このように、未発表のLTEスマホが4台並んでいます。サムスン、LG、NECカシオ、富士通東芝。しかし、事前発表もアピールも無く置いてあるので、注目度なし。ちょっと残念です。

端末展示では、SONY タブレットもPS VITAも一緒クチャ。
KDDI auでは、特にiPhone関係の展示はなく、秋・冬モデルの展示と、新感覚スマホに行列です。
秋・冬端末では、モトローラ、HTC、オムロンが実機を展示。

右の、HTC EVO 3Dは、カメラも3Dで、その場で立体感ある撮影ができました。でも必要ないですよね。

そして、予約をしてしまった富士通東芝のArrowsZ。こちらは箱の中に入って触れません。
新感覚スマホのコーナーは行列。一つは骨伝導を使ったスピーカー。昔、三洋の端末であったんですけど、スマホにしたら行列ができるんですね。もう一つが画面を押すと、クリックしたような感覚が得られるって機種です。

その他、Transfer Jetという、bluetoothのような通信規格ですが、具体的なデバイスが並んできました。最大560MBpsと高速。書籍などに組み込み、非接触でデータを渡すなどが可能になります。

○ホームエレクトロニクス
かなり、テレビとパソコンが融合してきました。実感できるプレゼンが多くなりました。
直接的にホームエレクトロニクスではありますが、電子デバイスのジャンルです。世界最大152V型基板ガラス。でかい。

東芝では、REGZAタブレットとテレビの連動、2週間、地上波全チャンネルを取り続けるサーバーの展示など、AV機器としてのアピール。REGZAタブレットはかなり薄いです。

三菱出来になったのが、レーザーバックライト液晶テレビ。まだ、試作段階ですが輝度が高く、はっきりした映像が楽しめます。しかし、プラズマ並みの消費電力だそうです。
また、レーザーテレビと称し、リアプロ型のテレビだそうです。

ソニーのブースはちょっと変わっていて、大きなホールの周りが、展示スペースとなっています。

高台にお客さんが並べられているのが、HDヘッドマウントディスプレイ。40分待ちの興味はないです。他方、VAIOやケータイ端末。一列に各機種がVAIOからPSまでずずずいーと。

○その他
インテルは、マルチメディア合成などを展示。箱をかぶったお姉さんの頭が動物キャラに変えられてしまうもの。お姉さんの表現に合わせて、動物の表情も変わるんだとか。

異色なのは、インテルなのに、モビルスーツの展示。ワインレッドの器具を装着すると、筋肉の補助をしてくれるらしい。

なぜに、インテルなのでしょう。聞きそびれました。
あと、お掃除ロボットで有名なiRoboto。最近は、原発内の捜索での活躍でも有名になりましたが、日本向けカスタマイズロボットを発売。

それでは、最後はドコモのコンパニオン勢揃いで終了です。