10月三連休は、震災の傷跡も残る宮城、そして山形
10月の三連休を使って、急遽、宮城・山形に行くことにしました。新潟から鶴岡、酒田方面に行こうかと思ったのですが、震災以降、被災地に足を踏み入れていなかったことから宮城周りで東北に向かうことにしました。
10月6日(土)
まずは、東京駅から東北新幹線でスタート。向うは仙台です。はじめ、始発のはまびこが後発のやまびこに追い抜かれるなんて知らずに並んでましたが、おっと危ない。気付いてよかったです。20分も後に出て、30分近く前に仙台に到着。
仙台に来るのは、この地に営業所があった時代以来。もう16年とかでしょうか。
地下鉄でレンタカーを借りに行き、乗り込んで一路石巻へ。仙台で車を運転するのは初めてです。仙台市内から高速で石巻へ向かいますが、この辺りはとくに震災後といった感じはありませんでした。ただ、細かく見るといろいろ亀裂とか入っているんでしょうね。
そして、石巻駅付近に到着。おおよそ1時間ほどでしたでしょうか。駅前付近では、B級グルメイベントの東北元気フェスティバルってなのをやってまして、ステージで太鼓の演奏や、周りのテントでは、各県のB級グルメのお店が出ています。石巻のB級グルメと言えば石巻焼きそば。では、その老舗に行ってみましょう。
駅から程ないお店で藤や食堂さんに入ってみました。肉野菜玉子入り焼きそばが登場。石巻焼きそばの麺は、焼く前から茶色いのが特徴で、蒸したり洗ったりを繰り返して保存がきくようになるそうです。なので出てきた状態で、かなり濃そうですがそんなでもなく、置いてある石巻焼きそばソースをかけて調整します。ソースはちょっと酸っぱい目。なかなかいいじゃないですか。
さて、石巻駅前の商店街立町には、サイボーグ009とか仮面ライダーの像があちらこちらに立っています。石巻は漫画家石ノ森章太郎のゆかりの地であり、それを記念して、キャラクターが街にいっぱいいます。
駅のお店にはロボコンとかも。しかし、駅に立つ像の横には水位線の表示が。港からはそれなりに距離のあるこの駅で50cmを超える津波が到達したという表示です。大変なことです。
そして、石巻を一望にできる日和山公園へ。公園からは石巻港や、山の方まで見渡せ、公園内のパネルが貼られ、津波の前後で街の変貌が比較できるようになっています。観光で訪れる皆は、それを見て愕然としてしまいます。
公園内には鹿島御児神社があり、石巻を見守っているという感じでしょうか。
そして、港の方に降りて、門脇という土地へ。ここは港からすぐの場所で、もう殆どの建物も無くなってしまっています。津波後はガレキとか散乱していたのでしょうが、整理されてきているようです。
ここに付近には、コンビニ、郵便局、書店などがあったそう。今になって、私もようやく被災地を訪れましたが、ここまでの道のりも大変だった事が伺えます。
写真左のポールは、津波の高さを表したもの。6.9mでしょうか。こんなに高い海が押し寄せてきたと思おうといかに凄かったかがわかります。
まだ立っている建物も、ぼろぼろですし、ガレキや車がスクラップとして高く積み上げられています。本当に、ここまで大変だったことでしょう。
そして、車で走ること1時間。女川に到着です。女川は漁港で、ここも津波の甚大な被害があった場所。まだ、コンクリートの建物がひっくり返ったままになっています。
報道では見たことのある光景ですが、肉眼で見た被災地は衝撃的でした。はかなさと言うか、自然の脅威と言うかそれを目の当たりにした思いです。
あらためて、震災で亡くなった、けがをされた方、財産を失い、仕事を失った方、本当にお見舞いを申し上げます。
そして、女川と言えば原子力発電所です。東北電力の女川原子力発電所。全国あちらこちらで原発を見ている身としては、ここでも見ないわけにはいきません。別に原発推進派でも反対派でもないんですけどね。
原発内にはもちろん入れないのですが、近くの港から見えたので撮影して観ました。石巻港で7m近い津波だったのですが、東京電力福島原子力発電所と違って、海面よりも高い位置に建物があるためか、こちらは災害を逃れました。他の発電所に比べても建物が新しいように感じます。
さて、夕闇も迫ってきて、今日の宿泊地仙台へと戻ります。その途中。牡鹿半島から金華山でも見てみようと、半島を廻ってみました。
車でさらに30分ほどで、牡鹿半島の先っちょに到着。暗いですが金華山が拝めました。
だから何ってもんでもないのですけど。
仙台に到着。もう20時前。なかなか取れなかったホテルにチェックインする前に、国分町へ。東北一の繁華街です。すると、大きなステージでよさこいそうらんが開催されています。これらのチームが宿泊先を押さえてるんでしょうか。また、観光客も。
また、国分町の公園でもサンバのステージが行われています。今日はお祭りなんですね。ホテルも取りにくいわけです。
小さな町でのお店探しだと鼻が利くのですが、仙台位の大きな歓楽街になると中々いい店が見つかりません。で、食事には今日行ったおしか半島に。
今日はミンククジラが入っていて、そのお刺身と牡鹿豚のカルビ炭火焼がおすすめということで、それをチョイス。久しぶりのクジラの刺身。身もしっかりして味わいがジュワーッと出る豚。美味でございました。
ここからはBAR巡りです。近所に落ち着いたバーを見つけ、そちらに。1軒目L’essentiel Barでは、カウンターに置いてあったニッカの伊達に注目。宮城峡は一般的ですが、伊達と言うのは初めて。こちらをソーダで。
この銘柄、宮城県内のみの限定だそうです。まろやかな味わいが良かった。
そして、BAR MAPがあるというので、それをいただき、2軒目も近くのZAZAへ。こちらではArdbegのGALILEOというのをいただきました。これも出たてで珍しい一本。
最後にそのまた近所でDiningbar cave。入口にモヒートって威勢よく書いてあったのでそれを。
バーテンダーさんが和歌山県人。関西人に仙台でお酒を入れてもらうなんて。仙台も大都会ですね。そして、珍しいものをとお願いすると、Kilchomanというスコッチ。小さな蒸留所だそう。なかなか見かけないですが、スモーキーな香りが身にまとわります。
10月7日(日)
今日は、仙台駅からスタート。快速リゾートみのり号で西へ。車内は落ち着いた紅葉色です。快速なのですが、全席指定510円で乗れます。座面もスライドし、肘掛けにもテーブル内蔵のシート。JR東日本のリゾート系車両も意外と心地よしです。
松島とか大回りしながら電車は進み、鳴子温泉に到着です。なぜか、ここで25分の停車。途中下車して、駅の周りを回ってみましょう。
鳴子温泉はこけしで有名で、土産物屋さんもこけしだらけ。
その中にあれ?キティちゃん。たぶん正規品でしょうが、こけしになるとはね。
温泉街には足湯や手湯もあり、温泉街風情が漂っています。
何か地物は無いかなと探したら、ビールがありました。「鳴子の風」ラガーをいただきました。
そして、終点の新庄に到着。駅を降りると駅舎がきれい。えらい新しい駅ビルです。ここで直ぐに乗り継がずに、昼食とちょいと自転車を借りて観光。
新庄は、調べてみると蕎麦ととりもつラーメンが名物と言うことで、他では食べられないであろうとりもつラーメンに。愛を取り持つとりもつラーメンというしゃれでやってます。
入ったのは老舗の一茶庵支店です。本店より人気らしく、注文と名前を告げると配膳されます。もう畳の間にみんな座って、民家のようです。
みるからに醤油ラーメン。お客さんのほとんどが、このとりもつラーメンを注文。鶏のもつ煮がチャーシューの代わりに入っている感じです。
新庄駅付近をくるりと一巡。戸澤神社へ。お堀の中に神社です。
そして、商店街アーチが、店に付けられてたりします。???
よくわかりませんが、この辺が繁華街のようです。
そして、新庄駅から酒田まで各駅停車の旅。所要1時間ほど。
今日の最終目的地、酒田市に到着。映画おくりびとなどのロケ地でもあります。駅や街中には、大獅子がいっぱいおります。そして、ホテルで自転車を借りて夜の部スタート。
繁華街をくるりと回ってみますが、連休の中日。日曜日の地方都市って休みのお店も多いんですね。そこで、すし屋で、地物寿司を打ち出している暫さんに。
ネタケースの中は、白身を中心に地物が並んでいます。あれこれしゃべってくれるご主人によると、それぞれ仕事がしてあり、単純に新鮮なものがいいわけでないと。
お刺身とお酒のセットからはじめ、にぎりへ。マグロ含め地物のお魚たち。おいしくいただきました。
そこからはBARへ。WHISKY BANKなるショットバーがあったので、2階のそのお店へ。名前がBANKって怪しいですが、地元の話題をいろいろ聞き参考になりました。次回、となりの鶴岡にも行ってみようかと思います。
そして、もう一軒、近くのEST。ダイニングバーで、お食事もおいしいそうです。でもお腹いっぱいなんで。今日はこれにて撤収。
10月8日(月)
体育の日はいい天気。ということで、市内を軽く自転車で回ってみます。一昨日の石巻と同じ日和山公園へ。見晴らしがよいそうで、昨夜、皆さんに勧められた地です。
その公園の前に、映画「おくりびと」でのロケ地。NKエージェントが入っていたビルとかがあります。観光資源です。
すぐ横の日和山公園を登ると、日本晴れの天気の下、日本海と最上川が絶景です。
酒田は日本海の海の幸が水揚げされる港。みなと市場ってのがあって、鮮魚をはじめ、こちらで丼とかもいただくことができます。
米処庄内は、江戸時代はど北前船で繁栄しました。この並ぶ建物は山居倉庫ですが、これらの倉庫から、積み出されたお米などが、関西、江戸に運ばれて行ったのでしょう。
そして、酒田と言えば最近東京でも行列ができるとんかつ屋さんの平田牧場の本社地。お昼ご飯はこれにしたいと思います。山居倉庫から自転車で10分少々。本店にはレストランはなくお肉の販売のみ、近くのとんやさんが平田牧場の直営レストランです。
まだ開店して30分もたたないのに、待ちが出ています。どうも団体さんがまとまって入っているようで、20分は待ったでしょうか。ここまで来たら金華豚のとんかつを食べないと引くに引けません。
出てきました、ポークソーセージと金華豚のとんかつ。厚切りジューシーな脂がいい香りです。さすが金華豚。中国最高級なハム、金華ハムの原料。さすがのジューシーさです。
そして、酒田駅から特急いなほ、上越新幹線を乗り継いで越後湯沢到着。
今日も、SWING BARに寄りつつ、JR東日本3日間乗り放題のスリーデーパスをコンプリートするために、再び、上越新幹線で東京へ。ながいなが3日間でした。
今回の東北の旅距離まとめ。
JR線は営業キロで1064.8km。通常運賃料金で17,650円。これをスリーデイパスで13,000円。4,650円のお得。ただし、これに特急料金が加算されます。
大井町-仙台361.0km \5,780
仙台-新庄137.3km \2,520
新庄-酒田55.2km \950
酒田-新潟168.2km \2,940
新潟-大井町343.1km \5,460
JR線計 1,064.8km \17,650 →\13,000
車:仙台-女川-牡鹿200.0km 合計1,264km
在来線が入ると、距離が稼げずそんなにお得じゃない?
被災地を回ることもできたし、有意義な旅だったのじゃないでしょうか。